- 特別徴収とは何ですか。
- 特別徴収はしなくてはいけないのですか。
- 従業員は家族だけなので特別徴収はしなくても良いでしょうか。
- パートやアルバイトであっても特別徴収しなければなりませんか。
- 従業員の少ない事業所でも特別徴収をしなければなりませんか。
- どのような場合に特別徴収しなければなりませんか。
- 特別徴収するメリットはありますか。
- 給与支払者が特別徴収した個人住民税は、従業員が住んでいる市町村ごとに納入しないといけませんか。
- 従業員の就退職の回数が多いのですが、特別徴収をしなければなりませんか。
- 従業員から普通徴収を希望されたら普通徴収にしてもいいですか。
Q.特別徴収とは何ですか。
A.特別徴収とは、給与支払者が所得税の源泉徴収と同じように、従業員に代わって、毎月従業員に支払う給与から個人住民税を徴収し、市町村へ納入していただく制度です。
Q.特別徴収はしなくてはいけないのですか
A.特別徴収は法律により義務づけられています。
所得税の源泉徴収義務のある給与支払者は、従業員の個人住民税を特別徴収することが法律により義務づけられています。(地方税法第321条の4)
Q. 従業員は家族だけなので特別徴収はしなくても良いでしょうか。
A.家族であっても特別徴収を行う義務があります。
ただし、常時2名以下の家事使用人のみに給与を支払う場合は特別徴収しなくても構いません。
Q. パートやアルバイトであっても特別徴収しなければなりませんか。
A.全ての従業員から特別徴収する必要があります。
原則として、アルバイト、パート、役員等全ての従業員から特別徴収する必要があります。ただし、次の場合は特別徴収を行う必要はありません。
- 他から支給される給与から個人住民税が引かれている。
- 給与の毎月支給額が少なく、個人住民税を特別徴収しきれない。
- 給与が毎月支給されない。
Q. 従業員の少ない事業所でも特別徴収をしなければなりませんか。
A.しなければなりません。
ただし、従業員が常時10名未満の事業所の場合は、市町村に申請し承認をうけることにより年12回の納期を年2回にする制度(「納期の特例」)を利用できます。
Q. どのような場合に特別徴収しなければなりませんか。
A.従業員が前年中に給与の支払を受けており、かつ当年の4月1日において給与の支払を受けている場合、給与支払者は原則として特別徴収をしなければなりません。
Q. 特別徴収するメリットはありますか。
A.主に2つのメリットが挙げられます。
- 給与支払者は、個人住民税の税額計算を市町村が行いますので、所得税のように給与支払者が税額を計算したり年末調整をする手間はかかりません。
- 従業員は、金融機関に出向いて納税する手間が省け、納付を忘れて滞納となったり、延滞金がかかる心配がありません。さらに特別徴収は納期が年12回なので、普通徴収に比べて1回あたりの納税額の負担が少なくてすみます。
Q. 給与支払者が特別徴収した個人住民税は、従業員が住んでいる市町村ごとに納入しないといけませんか。
A.従業員が住んでいる市町村ごとに納入する必要があります。
金融機関で納入する場合は、市町村から送付された納入書により納付することができます。なお、指定金融機関以外の金融機関から納付する場合は手数料がかかる場合があります。
Q. 従業員の就退職の回数が多いのですが、特別徴収をしなければなりませんか。
A.しなければいけません。
給与支払者が特別徴収義務者となることは法令(地方税法第321条の4)に定められています。事務が繁雑であることを理由に普通徴収とすることはできません。
Q. 従業員から普通徴収を希望されたら普通徴収にしてもいいですか。
A.普通徴収を選択することはできません。
所得税の源泉徴収義務のある給与支払者は、特別徴収しなければなりません。したがって、従業員希望により普通徴収を選択することはできません。